寒い季節になると、温かい鍋料理が食べたくなりますよね。鍋といえば、ちゃんこ鍋や寄せ鍋、水炊きなどがイメージする方も多いかと思いますが、一般的にどれも同じような具材を使っているため、どのような違いがあるのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか？
そこで今回は、ちゃんこ鍋・寄せ鍋・水炊きの違いについて詳しく解説します。ちゃんこ鍋と寄せ鍋、水炊きの違いについて興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
ちゃんこ鍋・寄せ鍋・水炊きの特徴
まずは、「ちゃんこ鍋」についてと、ちゃんこ鍋と似た「寄せ鍋」と「水炊き」の特徴について解説します。
ちゃんこ鍋とは？
そもそも「ちゃんこ」とは、相撲部屋でその日の料理担当であるである”ちゃんこ番”の力士が作るすべての料理のことを指し、その中でも、鍋料理のことを「ちゃんこ鍋」と呼びます。ちゃんこ鍋は明治時代に出羽海部屋が作ったことが始まりとされています。それまでは力士の食事は個々に配膳されていました。
しかし、名横綱である常陸山が在籍する、出羽海部屋への入門者が殺到し、食事を個々に配膳する負担が大きくなったため、鍋で一気に食べる形式に変えたことがちゃんこ鍋の始まりです。
そして、引退した力士が自分の育った相撲部屋での鍋料理をもとにお店を出したことから、世間一般にもちゃんこ鍋が広まっていったのです。そして、今でもちゃんこ鍋が食べられている理由は、一度に大量に作れることに加えて、栄養のバランスが良く、材料をしっかりと煮込むことからお腹を壊す心配も少ないためです。また、一つの鍋を囲んで食べることから連帯感も生まれ、仲間と切磋琢磨して高め合う力士の食事に適しているのです。
寄せ鍋とは？
寄せ鍋とは、野菜や魚介類などのさまざまな材料を入れて煮込む鍋料理です。出汁はカツオや昆布、貝類などの魚介ベースが一般的です。味付けは、塩やしょうゆ、酒、味噌などが一般的ですが、特に決まりはありません。地方ごとに特色を活かした食材や出汁を使っており、さまざまな寄せ鍋があります。また、具材は脂肪が少なくクセのないものが主流でしたが、最近では魚や肉でも何でも入れるようになったことから、「楽しみ鍋」とも言われています。
水炊きとは？
ちゃんこ鍋や寄せ鍋と似た鍋に「水炊き」があります。水炊きとは、鶏肉や野菜などを水から煮込で調理し、薬味の入ったポン酢しょうゆに浸けて食べる鍋料理です。水炊きは鶏料理と決まっているわけではありませんが、鶏肉を使ったものが主流です。水やお湯だけで煮立たせて具材から出汁を取る調理法が名前の由来です。
また、水炊きには地域によって特長が異なり、水から具材を煮立たせる博多風と、昆布出汁を一煮立ちさせた後に具材を入れる関西風の2系統あります。博多水炊きは鶏肉とキャベツが主流で、キャベツは白菜などと違い水分が出にくいため鶏肉本来の味を引き立ててくれます。一方、関西の水炊きは、白菜やネギを入れて煮込む場合が多いです。
ちゃんこ鍋と寄せ鍋の出汁の違い
水炊きは水から材料を煮込みことがちゃんこ鍋と寄せ鍋との大きな違いです。しかし、ちゃんこ鍋と寄せ鍋は、どちらも出汁から煮込みますが実はその出汁に違いがあるのです。そこで最後に、ちゃんこ鍋と寄せ鍋の違いについてご紹介します。
寄せ鍋の出汁
寄せ鍋はカツオや昆布などの魚介ベースの出汁が特徴です。魚介ベースの出汁が使われる理由には諸説ありますが、寄せ鍋は江戸時代から食べられており、当時から日本人に馴染みのある魚介で出汁をとっていたためと言われています。その伝統が今でも継承され、寄せ鍋はかつお節や昆布などで出汁を取った鍋のことを指すのです。
ちゃんこ鍋の出汁
ちゃんこ鍋は鶏がらベースの出汁を使います。ちゃんこ鍋で鶏がらスープを使うことには理由があり、相撲界では鶏は験（げん）が良いものとされているためです。牛や豚は4本足で立つことから、力士が手をついて負けの状態を連想させてしまいます。しかし、鶏は2本足でしっかりと立っていることから験が良いと言われているのです。
また、魚介類の出汁が使われない理由としては、魚には手足がないため、相手に「手も足も出ない」という意味なり、縁起が悪いとされているためです。
まとめ
今回は「ちゃんこ鍋」「寄せ鍋」「水炊き」の違いについて詳しく解説しました。
ちゃんこ鍋は出汁に鶏がらを使いますが、寄せ鍋はカツオや昆布などの魚介ベースの出汁を使うことが大きな違いです。また、ちゃんこ鍋と水炊きは、水炊きは水から具材を煮て作ることが大きな違いと言えるでしょう。こちらの記事を読んで、鍋料理をより楽しむためのお役に立てば幸いです。
「ちゃんこ友路」は、新鮮な肉・魚介類・野菜を含めて18種類の具をふんだんに使ったボリューム満点のちゃんこを提供しているちゃんこ専門店です。また、新鮮な刺身はもとより、焼き物、酢の物にも合う、日本各地の地酒やワインも取りそろえております。
店内は落ち着いた和風の造りになっており、個室もございますので、両国にお越しの際はぜひ「ちゃんこ友路」にお立ち寄りくださいませ。
