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相撲豆知識

土俵の大きさ

土俵の直径は、土俵のできた江戸時代当初より13尺(3m94cm)であった。
これは二人の人間が手をつないで伸ばした手で円形を描いた大きさが、最も適した広さとされていたからである。
現在、土俵は「高さが34~60cm、一辺が6m70cmの正方形に土を盛り、その中央に直径4m55cmの円を20俵の俵で作る」と決められている。

正式の土俵で使用する俵の数は全部で66俵である。
東西南北にある4つの徳俵は、土俵の円の直径より俵ひとつ分だけ外側に飛び出している。
相撲が屋外で行われていた時代に、土俵にたまった雨水を掃き出すために俵をひとつ分ずらしていた名残りである。
形成不利の力士が俵ひとつ分だけ得をすることから、徳俵と呼ばれている。

4色の房

土俵の屋根の四隅を飾る四色の房は、それぞれの色が四季と天の四神を表わしている。
正面から左に、東の青房は春と青龍神、南の赤房は夏と朱雀神、西の白房 は秋の白虎神、北の黒房は冬と黒い亀の玄武神である。
この天の四神は、土俵を守護する意味で四隅に祭られている。
天の四神は高松塚古墳の壁画にも描かれて いた。

力水と力紙

呼び出された東西の力士が、土俵上で一礼し、四股を踏んだ後に、前の取組で勝った力士から柄杓で力水をつけてもらう。
そして力紙で口元をぬぐう。この一連 の作法を「力水をつける」といい、約1200年前の平安時代の相撲節会の頃から行われてきた。
また、相撲が長引き、中断することを「水入り」という。これはもう一度力水をつけてから、相撲を再開するところから由来する。

清めの塩

清めの塩をまくのも大切な所作である。
塩をまく所作は、地中の邪気を払い土俵を清める意味と、力士が怪我をしないことを祈り、擦り傷などの殺菌効果もかねている。
現在本場所では、一日約45kgの塩が使われる。

蹲踞をして塵を切る

対戦する2人の力士が、腰を下ろして向かい合う姿勢が蹲踞である。
蹲踞は相手を敬う所作でもある。 仕切線の前で蹲踞をし、両手を前に出して手の平を打ち、左右に広げ手の平をかえすことを「塵を切る」という。
また、両手を左右に広げて手の平を見せるのは、武器を持っていないことを示し正々堂々と素手で闘うことを誓う意思表示でもある。

四股

力士は、土俵に上がると大きく2回四股を踏む。
四股は、邪気払いの力があるとされ、土俵上で四股を踏むのは意味のある儀式とされている。

立合い

両力士が互いの呼吸で立ち上がる瞬間、これが立合いである。この立合いは、“阿吽の呼吸”で行う。
この”阿吽の呼吸”は仏教用語で、寺院の門の左右に控 え、寺院を守護している仁王や神社の狛犬に由来する。
一方の仁王は、口を開いて息を吐いている。この形相が“阿”である。
もう一方の仁王は息を吸い込み、 口を閉じている。これが“吽”である。